足関節・足部に関わる筋を整理してみた｜起始・停止・神経・作用まとめ

臨床で“足関節・足部の動きに関わる筋は”と思ったとき、すぐに確認できるようにまとめました。

足関節・足部まわりの筋（起始・停止・神経・作用）

筋の一覧　※青色は補助筋

前脛骨筋

長母趾伸筋

長趾伸筋

第3腓骨筋

長腓骨筋

短腓骨筋

腓腹筋

ヒラメ筋

足底筋

後脛骨筋

長趾屈筋

長母趾屈筋

運動方向別に働く筋　※青色は補助筋

足関節の背屈に関与する筋

足関節の底屈に関与する筋

足部の背屈に関与する筋

足部の底屈に関与する筋

足部の内がえしに関与する筋

足部の外がえしに関与する筋

まとめ

筋の走行や作用を正しく把握することは、評価・治療・運動指導の精度を高めるうえで不可欠です。

この記事では足関節と足部に分けて解説しています。

ここでは、足関節＝距腿関節、足部＝距骨下関節として記載しています。

距腿関節：運動自由度が1で底屈・背屈の動きをするらせん関節です。距腿関節の運動軸は単純な矢状面上の軸ではなく、距骨下関節との連動により背屈時に外がえし、底屈時に内がえしが伴います。

距骨下関節：距骨下関節では、外がえし（回内＋外転＋背屈）、内がえし（回外＋内転＋底屈）といった複合運動が起こります。

横足根関節：外科的切断部位として、ショパール関節ともいわれます。

足根中足関節：外科的切断部位として、リスフラン関節ともいわれます。

腓腹筋とヒラメ筋をまとめて下腿三頭筋と呼ばれ、大殿筋・大腿四頭筋につづいて強力な筋です。

特に膝関節完全伸展位では腓腹筋が伸張され、足の底屈力が最も強くなります。

内側縦アーチ：歩行運動と密接な関係があります。後脛骨筋は内がえし運動で前脛骨筋より強力に働き、内側縦アーチ（土踏まず）の形成に重要な働きをしています。他にも前脛骨筋、長母趾屈筋、長趾屈筋が関与します。

外側縦アーチ：足のバランスと密接な関係があります。長・短腓骨筋、小趾外転筋が関与しています。

横アーチ：内側縦アーチと外側縦アーチの間にできるものです。アーチの頂点は第2中足骨頭で、長腓骨筋が関与します。

足のアーチは出生時には未完成で、成長に伴う筋活動・体重増加に対する抗重力作用として高さを増して完成します。

本記事では、足関節・足部の動きに関与する筋を整理し、臨床での確認・応用に役立つよう構成しました。

筋の理解は、評価・治療・運動指導の精度を高める第一歩です。

臨床の現場で迷ったとき、この記事が“ちょっとした確認”の助けになれば嬉しいです。